初めて、ベースの弦を張り替えた。
船で張り替え方を教わろうと思ってたんだけど、なんだかんだでその機会がなくて、そのままになってた弦。てゆーか、気付けば、中学生の時に知り合いの人にもらった時から張り替えてないんであった。どんだけテキトーなんだ。でも、張り替え方を知らなかったので、しかたないと言えばしかたない。

船から降りてからはしばらく練習してたけど、ここ数ヶ月はほとんど触らなくなってたベース(でも、部屋には置いてあったから「あ〜弾かなきゃ弾かなきゃ」とは思ってたんだけど)。久しぶりに出して弾いてみた。明らかに弦があちこち錆びてた(潮風に当てた影響大?)。
これは張り替えないともうダメっしょーという感じの錆び方だったので、張り替えることに。でも、張り替え方がわからないから、まずは張り替え方が載ってる教則本を買いに行くことに。

家から15分ほどのところにあるCD&楽器屋で立ち読みしてみたら、どうやら買わなくても覚えられそう。ということで、ガッツリ立ち読みのみで覚えて、頭に入れる。教則本は買わなかったけど、ジョン・レノンのピアノ弾き語り用楽譜を買った。
(余談だけど、ベースを弾き始めた頃から何かとお世話になってたこのお店の楽器店スペースが、来年の頭で閉店するらしい。家から自転車で行ける楽器屋さんがなくなってしまうのは痛いな〜。それに、ちょっと寂しい。でもお客さん入ってなかったからなー…。閉店セールに期待しよう。)

家に帰って来て、張り替えた。簡単だった(ばーもんの言ってたことは本当だった)。あっさりだった。中学生でもできると思った。
張り替えたばっかの弦は、すごく気持ちがよかった。


こうして、私はまた学んでるって、思う。「張り替え方を知らなかったので、しかたないと言えばしかたない」だって?知ろうとしてなかっただけじゃん、って思う。

私たちは(特に大人は)、人生で初めてやることを、実際のそれ以上に難しいと思い込むところがあると思う。「やったことないし」「そういうの専門じゃないし」「わかんないし」「間違えたら怖いし」って。でも、誰だって、どんな小さなことだって、それを生まれて初めてやった時は、初めてだった。初めての1回をやってみなかったら、自分にとってそれが本当に難しいのか、挑戦する価値がないのか、自分には向いてないのか、怖いことなのか、その先できるようにならなくてもいいことなのか、それさえわからない。やってみたら、思ってたより全然簡単で、いきなり目の前に広い世界が広がることだって、たくさんあると思う。

そういうことが、そういう人が、世界にはたくさん存在してるんだろうってことを、私は今学んでるなーって、思った。世界中の人に、一歩を踏み出して欲しいし、私も踏み出したい。




ベースの練習に飽きたところで、お次はピアノ。本当に本当に久しぶりのピアノ。何年ぶりだろう。6歳くらいから習い始めて、高2くらいまでレッスンに通ってたけど、結局練習が嫌で嫌で、受験を理由にして辞めたんだった。私に足りなかったのは、「ピアノを弾く楽しさ」を学ぶことだったと思う。今はもう、その当時習ってた曲、自分で覚えた曲、どれも全く覚えてない。

でも、最近『神との対話』って本を読んで、ジョン・レノンの「Imagine」の歌詞の意味がやっと本当にわかって、そしたら、自分で弾いて歌いたくなったんだ、「Imagine」を。前から大好きな曲だったけど、全ての歌詞に心を込めて歌えるようになった今、自分で演奏して自分で歌えたら、素晴らしいだろうなって思って。だから、動いてみた。楽譜を買ってきて、久しぶりにピアノの前に座ってみた。あまりにも久しぶりだし、もともと上手い弾き手でもなかったから、もしかしたら「Imagine」1曲覚えるのにも、すごく時間がかかるかもしれない…って思ったけど、それでも弾きたいって気持ちは強かったから、どんだけ時間がかかっても覚えてやる〜!って感じで、楽譜を開いた。

そしたらね、これまた思ってたよりも全然簡単だった。あっさりって程ではなかったけど、丁寧に楽譜を追っていきながら練習したら、1時間くらいで弾けるようになったし、すぐに弾きながら歌えるようにもなった。あんだけ気合入れてたのが、拍子抜けするくらい。もともと簡単な曲なんだね。和音も簡単なのしか使われてないみたいだったし(ジョンは、シンプルを目指したのかな?)。でも、素直にうれしかった。


弾かなくなってからは、もう自分の人生に深く関わってくることもないのかなぁと思ってたピアノも、自分が動けば、いくらでも、再び近くにやってくる。懐かしくて親しみがあって、でもどこかで行き詰ったり誰かによって止まらざるを得なくさせられたものを(子供の頃って、そういうものがたくさんあった気がする)、また自分のそばに持ってくる、もしくは自分がそのそばに行くことは、可能だよ。人や、勉強や、何か作品や、夢も、きっとそうなんじゃないかな。

久しぶりに何かがしたくなったら、それはきっとサインなんだろうって、思った。今更なんてことはないし、久しぶりだからこそ気付けることが、きっとあるんだよね。