たった今、読み終わりました。
最後の方は、早く最後まで読み終わりたいんだけど、読み終わってしまうのがもったいない…(>д<)オゥ!と思いつつ、ページをめくる手が止まらず。
内容は、フェルマーの最終定理と呼ばれる数学史上最大の難問をめぐり、3世紀以上にもわたって繰り広げられてきた数学者たちの苦悶、そして1997年にプリンストンの数学者アンドリュー・ワイルズによって完全証明されるまでの波乱のドラマを描いたノンフィクション。
読むのに、数学の小難しい知識は必要なし。なんたって、中学・高校時代は数学は大の苦手でテストはいつも赤点、授業中に先生に当てられて、本当に全くわからなすぎて、授業中に教室で泣き出したという恥ずかしい過去を持つ私ですら、貪るように読み進められましたから(笑)。
もう誰も解くことはできないだろうとさえ言われていたその難問を、子供の頃からの「絶対に解くんだ!」という情熱を忘れずに、7年に及ぶ孤独な研究と欠陥修正のための苦闘を乗り越え、ついに証明した世紀の数学者の挑戦には、本当に感動。そして、それ以上の爽快感。
また、その問題を証明するにあたって、重要な役割を果たす「谷山=志村予想」「岩澤理論」は、その名からもわかるとおり、日本人数学者、志村五郎、故谷山豊、故岩澤健吉によって生み出されたもの。同じ日本人として、誇りを感じられるドラマでもあった。
この問題が、数学界においてどんな意味を持ってきたのかといったことや、そもそも「証明する」ということはどういうことか、歴史上の数学者たちは、この問題をめぐってどのような軌跡を残してきたのか等も、わかりやすく、ドラマチックに描かれてる。
だから、内容の凄さもさることながら、書き手サイモン・シンの筆力に圧倒されっぱなしだった。この本の帯には、「超難解な理論を驚くほど簡単に説明する稀有な才能」と書かれているけど、それは間違いないと思う。フェルマーの最終定理の証明それ自体は、私には何十年かかっても理解できない代物だと思われるけど、そこから本当に必要かつ十分な部分を選び出し、素人のために丁寧に説明を加えつつ、勢いを落とさずにストーリーを進める文章力には、学ぶところが満載だった。
面白そうだけど、数学に興味ないし、難しそうかも…と思った人は、まず『博士の愛した数式』(小川洋子著 新潮文庫)を読んでみるといいかも。もし読んでみて、「数学って、面白いかも!」と思えたら(それ以外の感動もあるけどね)、絶対にこの本はおすすめ!!
因数分解ですらもうよく思い出せなくなってるし、日常生活の中で数学の知識を必要とされる場面もないし、数学の知識が増えているわけでも、この先増える予定があるわけでもないけど、数学なんて大嫌い、と思っていた自分はもういなくて、代わりにあるのは、わからないなりに「数学って、きっと美しいんだ」っていう思い。
こうして自分のなかの考え方が変わっていくきっかけを、たった1冊の本がくれたりするんだよね。
良い読書を♪
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面白そうですね。
博士の愛した数式は映画で観ました。
記憶が80分しかもたない博士と家政婦さんとその子ども。
数字を愛し まるで恋人のように数字と語り合う博士。
心あたたまるいい映画でした。
私の大好きな映画のひとつです。